第7回 模型で見るアントの種類

「特注」の1形式1台から「量産」アントまで、多種多様な形が存在するアント。ここではアントの種類について構造や特徴による分け方を紹介します。

ジャッキアップ式アント

昭和34年に発売され今日まで続くジャッキアップ式。
車体中央部の連結器にはジャッキが付いており、連結する相手側の車両を少し持ち上げ、アントの重量を増加させる事により牽引力を得ます。

主なジャッキアップ式のデータ
動力・・・・・・エンジン式
車体の構造・・・丸棒よる車体保持(以下ポールフレーム構造)
活躍場所・・・・貨車牽引用。W型アントの登場により数を減らしている。

写真左ANT15‐3
写真右ANT22G

②W型アント

W型アントは「アントと言ったらこの形」とイメージするほど色々な場所で見かけるアントの代名詞的存在。
ジャッキアップ式アントが連結相手の自重を使い牽引力を得るのに対し、W型はウエイトボックス(死重)を搭載することにより牽引力を得ています。
車体中央部のゼブラ塗装の部分がウエイトボックスで、外すとジャッキアップ式と同じポールフレーム構造のアントになります。
ディーゼル式、ガソリン式、電気式等の動力の違いや、路上走行装置がついている物など様々な「派生アント」がいます。

主なW型のデータ
動力・・・・・・エンジン式、バッテリー式
車体の構造・・・ポールフレーム構造
活躍場所・・・・車両基地、専用線。主に両数の短い牽引用
その他・・・・・テレコン仕様あり

写真左ANT30D‐WR
写真中ANT22G‐W
写真右ANT30DWAT

③大型アント

W型とともによく見かけるもう一つの代名詞的アント。
大型アントは車両の検査場で使われることも多く、路上走行装置を備えたものやテレコン式(無線操縦)もよく見かけます。
また、ジャッキアップ式、W型とは違い、箱型フレームを採用しています。

主な大型アントのデータ
動力・・・・・・エンジン式、バッテリー式
車体の構造・・・箱型フレーム
活躍場所・・・・車両基地(検修場、車輪削正場等)両数が多いなど重量の大きい牽引用。
その他・・・・・テレコン式、路上走行仕様あり

写真左ANT100DB
写真右ANT50DRT

④バッテリー式アント

①~③までのアントとは少し違う分類法ですが、バッテリー式アントもご紹介。
バッテリー式アントはW型、大型のどちらにもあり、いずれも動力源であるバッテリーが車体に搭載されています。

主なバッテリー式データ
動力・・・・・・バッテリー
車体の構造・・・ポールフレーム式、箱型フレーム式
活躍場所・・・・車両基地等。低騒音、環境負荷が少ないため近年各地で増加中
その他・・・・・路上走行仕様、テレコン式あり

写真左ANT40B‐RR
写真右ANT60E‐T

⑤モノレール用アント

「鉄」軌道だけではなく、モノレールにもアントは存在します。
車体の上回りは通常の大型アントに近い構造ですが、やはり走行関係はモノレール仕様。独特な存在感があるアントです。

主なモノレール用アントのデータ
動力・・・・・・エンジン式
車体の構造・・・箱型フレーム
活躍場所・・・・モノレール車庫

写真はANT30G‐MA

⑥その他のアント

ここまで紹介してきたアントの種類には属さないアントも中には・・・
モノレールの保守点検用工作車、機関車型、台車牽引用のminiANT等様々な種類が存在します。

主なその他のアントのデータ
動力・・・・・・エンジン式、バッテリー式
車体の構造・・・様々
活躍場所・・・・世界各地
その他・・・・・納入先に応じた特殊仕様が多く存在する。

写真左ANT150EM‐2S
写真中ANT100D‐2S
写真右ANT200DB‐25

⑦おまけ

最後は製造メーカーによる違いを少しご紹介。
写真はそれぞれ別々のメーカーによるアントで、ライト周辺の形状や、つり上げフック等それぞれに特徴があります。例外も結構ありますが・・・
模型製作時には意匠の違いによる作り分けが楽しく、実車の雰囲気通りに仕上がると嬉しいものです。

写真左ANT35D‐R
写真中ANT50DRT
写真右ANT40B‐RR